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アスリートの妊娠 :無月経は疲労骨折のリスクとなる
ケガをしにくい身体づくりは、アスリートにとって重要なことでしょう。通常は、10~20歳で骨量が急成長して強くなるのですが、その頃にエネルギー不足があると、骨密度が低いままとなってしまい、生涯に渡ってもろい骨になってしまいます。
とくに、若いころからの無月経は注意しなければなりません。
無月経で、血中のエストロゲン濃度が低い状態が続くと、骨を作ることにも関係しているエストロゲンの作用を受けられないため、丈夫な骨をつくることができません。通常は更年期以降におこりやすい「骨粗鬆症」が、10代の若い女性でも起こり得るのです。とくに、血中のエストロゲン濃度が20pg/ml以下のアスリートで、疲労骨折を起こすリスクが高いといわれています。
骨量が低下した状態で継続的に骨に強い力が加わると疲労骨折を起こしやすくなります。
正常月経のアスリートより無月経のアスリートの方が疲労骨折の発症率が高いとの報告もあります。
元女子マラソン選手の増田明美さんは10代のときに無月経が続いており、引退直後の検査で足に7か所の疲労骨折が見つかったエピソードは有名です。骨粗鬆症とそれにともなう疲労骨折は競技の継続を危うくするだけでなく、引退後のQOL(生活の質)の低下にもつながりかねません。
女性アスリートが考慮すべき3つの注意事項のなかで、妊娠・出産と直接関係するのは無月経です。
しかし、無月経になっているとすれば、同時に骨粗鬆症のリスクも高いと考えられ、その背景には「 利用可能エネルギー不足 」があります。将来の妊娠・出産の不安材料にならないように、無月経は放置しておかない方が賢明です。無月経が継続すると、妊娠しにくくなるケースもありますので、将来妊娠したいと考えている女性アスリートは注意が必要です。まずは、「 利用可能エネルギー不足 」を疑い、エネルギー消費量とエネルギー摂取量のバランスを見直してみましょう。
アスリートの妊娠 :強く美しい女性の秘訣
女性としての強さ、美しさを保つためには、男性と同じような生活は適していません。女性には女性なりのコンディションの整え方が必要です。アスリートであっても、そうでなくても、まずは月経を自分のバロメーターとし、自分の心身のコンディションの変化に気づけるようになることが女性としての強さ、美しさを保つ秘訣ですし、妊娠・出産の為にも重要です。
月経(生理)周期とともに、気になる症状や気持ちの変化などを日誌として残しておくと良いでしょう。そして、女性特有のリズムにうまくのれないと思った時に、月経の異常(月経(生理)周期の異常、月経困難症、PMS)や疲労骨折などがあった場合には、気軽に婦人科へ相談しましょう。
最近では、女性アスリートを支援するための専門外来や医学的研究もすすんでいます。あなたに合った食事、運動、休息のバランス、妊娠する健全なカラダを作り、女性としての強さ、美しさを保つ方法を見つけていきましょう。
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