子どもの誤食事故 を引き起こさないために 特にタバコには注意!

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子どもの誤食事故 を引き起こさないために 特にタバコには注意!

公開日時

 
執筆:南部洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
監修:坂本 忍(医学博士 公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ)
 
 
交際相手の女性にタバコを煮た汁を飲ませたなどとして、静岡市の男(22歳)が殺人未遂の疑いで逮捕されました。使われたタバコの量は20本。煮汁を睡眠薬と一緒に飲ませたそうですが、命はとりとめています。いったい、タバコを煮て摂取する、またはまるごと摂取した際の体へのリスクや症状、対策はどうなるのでしょう。
 
ここでは、ニコチン中毒や、特に幼児の誤飲・誤食について解説します。
 
 

タバコの主成分って?

 
主なタバコの成分は、ニコチン、タール、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、その他4000種類もの化学物質を含んでいます。
( http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/seibun.html )

 

ニコチン

ニコチンは、天然由来の有機化合物(アルカロイド)の一種で、「毒物および劇物取締法」に毒物として指定されています。脳では中枢神経にも自律神経系にも作用します。
ニコチンを引き金として放出される神経伝達物質には、「快」を司るドーパミンで「満たされた感じ」、「覚醒」「活動性」「やる気が出た感じ」を司るノルアドレナリン、さらには「気分安定」を司るセロトニンによる「落ち着く感じ」などが得られます。ただし、これはタバコを適度に摂取した場合に限ります。

 

タール

タバコを吸ったときに煙をティッシュペーパーなどに吹きかけると黄色く黄ばんでいるのがわかります。これがタールで、有機物質の熱分解により発生する、粘り気のある黒褐色の油状液体です。
 
タバコの葉に含まれている有機物質が熱分解され、約4000とも言われる化学物質の結合体であるタールとなりますが、中でも約200種類の物質は、人体に対して何らかの有害な作用を持つ物質だといわれています。
その中には発がん性物質や発がん促進物質なども含まれます。西欧では、煙突掃除夫のタールによる陰嚢がんが発表されています。職業病として、20~30年後に発病して、予後不良の疾患です。

 

ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド

皮膚や目などが水溶液に接触した場合は、激しい刺激を受け、炎症を起こします。
シックハウスの原因として問題になりました。

 

ベンゾピレン

自動車の排気ガスや焦げた食べ物の一部などにも含まれます。発がん性を持ち、体内で酸化されるとDNAを傷つけ、DNAを破壊された細胞は、がん細胞へと変化します。

 
 

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