(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
水中出産のメリット (2):赤ちゃんのメリット
羊水と似たような環境に置かれた産道を通り、出たときもそのまま温かい水のなかに入る水中分娩には、赤ちゃんにとっても出産時のストレスが軽減すると言われています。
よくドラマなどで見る出産シーンでは、お母さんのいきみが安堵の表情に変わった瞬間に赤ちゃんの鳴き声が同時に聞こえますが、じつは赤ちゃんは、お母さんと繋がっているへその緒を切ったときに初めて肺呼吸を始めます。ですから、水の中で産まれてもへその緒は繋がっているので、お腹のなかにいるときと同じようにへその緒を通じて酸素を吸うので、水中で産まれたことで赤ちゃんが呼吸できずに溺れるということは、まずありません。
「水中出産」はどこでもできるの?
水中出産ができる施設はまだ日本では多くはありません。
厚労省では、平成11年に、施設ではなく自宅の24時間風呂で出産した新生児が、生後1週間目に発熱、嘔吐し、翌日には突然に呼吸停止し死亡してしまったケースを報告しています。事故後の調査で、浴槽からレジオネラ属菌が検出。レジオネラ属菌は、ヒトの肺炎を起こしうることで知られています。
このようなケースは、湯の衛生面への配慮があまりにもずさんなケースですが、水中出産の際には、専門の施設で、もしくは助産師さん立ち会いのもと指導を受け、赤ちゃんにとって安全な環境で出産することが大切です。
最近は、自分らしい出産方法を選ぶ人が増えてきていますが、いずれの出産でもリスクはありますので、よく把握したうえで、臨みたいですね。
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
<参考>
平成26年度生活衛生関係技術担当者研修会 レジオネラ症の最近の話題と動向
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000074555.pdf#search='水中出産+厚労省'
スポンサーリンク