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酔う ...脳の中にナビがある?
ではそんな泥酔状態でも家に帰れるのはなぜでしょう。
そこには、「ナビゲーション・ニューロン」と呼ばれる脳の神経細胞が大きく関わっています。
酔って脳が新しい記憶をインプットできない状態でも、すでにある記憶をアウトプットすることはできるのです。
脳内のナビゲーション・ニューロンは、習慣化された行動のパターンを記憶しています。ですから、いつもの自宅や帰宅コース、特定の場所や風景に対し、どのように行動するかを導き出すことができると考えられているのです。
この神経細胞のはたらきのおかげで、あたかも「自動的」に家に帰っているように考えられるのですね。
昨年、ノーベル生理学・医学賞の栄誉も、こうした場所や空間の認識にかかわる脳の機能、いわゆる「脳内GPS」の存在を発見した科学者・ノルウェー科学技術大学のエドバルト・モーセル教授らに与えられています。「脳内GPS」のメカニズムの解明がさらに進めば、今後増加が予想される認知症患者の徘徊などを予防できる可能性が期待されています。
酔う ...記憶をなくすのは危険サイン!
とはいえ、「どうせ帰れるからいっぱい飲んじゃおう!」と考えるのは大きなリスクになりますよね。
酔って記憶をなくすときは、血中のアルコール濃度は0.1~0.2%といわれています。もし構わず飲めば、吐いたり、その場にうずくまったり、目も開けられないといった急性アルコール中毒の症状を招きます。
さらに血中アルコール濃度がわずかに増えて0.3%を超えると、昏睡状態を引き起こし、呼吸が止まって命に関わる恐れもあるのです。
つまり、酔っ払って翌朝覚えていないというのは、生命の危機に近づいていることを意味します。
幸い無事だったとしても、ナビゲーション・ニューロンは習慣化された移動を記憶しているだけで、いつもと違う場所で飲んでいたり、ルートから外れたりすると、きちんと帰れなくなる可能性もあります。
特にこれからの寒い季節は、道に迷ったあげくにその場で眠り込んだりするのは危険です。是非とも避けたいところですよね。
翌日のためにはもちろん、自分の健康や命のためにも、飲み過ぎにはくれぐれもご注意ください。
<参考>
https://kaken.nii.ac.jp/pdf/2011/seika/C-19/12602/21300126seika.pdf
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/ehime/cat070/suggestion/sunami/2435-83902
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