(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
水中出産の方法と考え方 :提唱者・オダン博士の考え方
水中出産はフランスの産科医オダン博士らが提唱した分娩法です。オダン博士の独自の女性観についてもふれておきましょう。出産のプロセスは感情的なものではなく、生理的なもので、女性は出産について本能的な理解を持っているとオダン博士は考えます。
本能は、出産において「何をすればよいか」、「どのようにすれば良いか」を伝える原始的な知恵。水は理性的な事柄を忘れさせ、本能に身をゆだねるのを助け、出産が幸福なやり方で完結するように導くのです。
水中出産の方法と考え方 :水中出産のリスクを知り、自分が何を望んでいるかを良く考える
水中出産のリスクについても知っておかなくてはなりません。厚生労働省は平成11年に、施設ではなく自宅の24時間風呂で出産した新生児が、生後1週間目に発熱、嘔吐し、翌日には突然に呼吸停止し死亡してしまったケースを報告しています。事故後の調査で、浴槽から肺炎の原因になるレジオネラ属菌が検出されたといいます。
リスクを避けるため、水中出産は専門の施設または水中出産の経験を積んだ助産師さんの指導のもとで行うのがよいでしょう。オダン博士は次のようにも述べています。「しかし、女性は水を使わなければならない、などと思い込むべきではありません。彼女自身の本能が知っている『すべきこと』を行いましょう」。自分らしい出産方法を選ぶ人が増えていますが、水中出産を検討する際は、本当に望んでいるのか、本当に必要なのかをよく考えることが大切です。
<参考>
L'ACCOUCHEMENT DANS L'EAU
http://www.materniteconsciente.org/course4-3.html
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
スポンサーリンク