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アルコール依存症の克服 「禁酒の決意」だけでは解決できない
アルコール依存症に陥ると、たとえ、「もう飲酒はやめよう」と決意してもなかなか上手くいきません。日常的にアルコールを摂取している人がアルコールを控えると、手がふるえたり、汗をかいたり、イライラする、眠れなくなる、といった症状が出ます。これを「離脱症状」といいます。アルコール依存症を治療するには、体内にアルコールを入れないことが重要です。しかし、離脱症状があるために、禁酒を決意しても再びアルコールを口にしてしまうのです。アルコール依存症を本人の意思だけで解決するのは非常に困難です。
アルコール依存症の克服 アルコール依存症の治療
アルコール依存症から抜け出すには、お酒を1滴も飲まない「断酒」をするしかありません。専門病院ではそのための支援を行っています。そこで処方されるのが「抗酒薬」です。この薬を服用していると、万が一飲酒してしまったときにひどい二日酔いに似た不快な症状が出ます。飲酒が心地よい行為ではなくなるので断酒を継続しやすくなります。ただし、危険を伴うことがあるので、必ず医師の指導もしくは監視下で行います。
専門病院に入院した場合は、まずアルコール依存症が病気であることを認識してもらい、治療への動機づけを強めます。次に約3週間かけて抗酒薬の処方や離脱症状への対処を行いながら断酒を継続します(解毒期)。その後、約7週間かけて、飲酒に対する考え方を見直す心理療法や集団活動プログラムを行います(リハビリテーション前期)。治療とリハビリが終了すると退院となりますが、定期通院や自助グループへの参加を続けます(リハビリテーション後期)。
アルコール依存症がある程度進んでしまうと、離脱症状によって、本人の意思の力で克服することが困難になります。アルコール依存症の人の家族は、これを病気と認識し、ときには強制力をもって治療に向かわせる必要があります。多量飲酒の傾向に気づいたら、離脱症状が現れる前にお酒の量や頻度を見直しましょう。深刻な事態を招く前に、早い段階で対処することが大切です。
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