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出産予定日後の出産 :出産予定当日に生まれる赤ちゃんは意外と少ない
株式会社エムティーアイが2015年1月に2,847名の女性を対象に行ったアンケートによると、普通分娩での出産週数は次の結果になりました。
1位:40週(25%)
2位:39週(19%)
3位:38週(15%)
4位:41週(13%)
5位:37週(7%)
出産予定日とされる妊娠40週に産まれているのは4人に1人という計算になります。出産予定日前の妊娠37~39週で出産する人が、全体の41%を占めています。出産期は「正期産」「早産」「過期産」の3種類に分けられます。
正期産
・妊娠37週0日~41週6日
正期産は、出産にもっとも適している期間といわれています。
早産
・妊娠22週0日から36週6日
早産は、通常よりも早い時期に出産する期間です。また、妊娠22週未満の出産は「流産」と呼ばれ、早産とは区別されています。
過期産
・妊娠42週以降
過期産は予定を大幅に遅れて出産する期間です。子宮や胎盤は妊娠38週目ごろに機能が充実し、41週を過ぎたころからは徐々に衰えていきます。そして妊娠42週を過ぎたころには赤ちゃんがお腹のなかで成長しすぎてしまうため、難産になることもあり、出産のリスクが高まります。
出産予定日後の出産 :予定日を大幅に超過した場合の出産法とは
出産予定日を過ぎてもなかなか産まれてこないのは、前述したように生理周期の乱れや不順もありますが、次のような場合にも起こります。
・心身にストレスや緊張を抱えている
・体重が大きく増加した
・高齢出産
・初産で子宮口が開きにくい
・運動不足で陣痛がこない
出産予定日を過ぎていても、特に問題がなければ陣痛を待つことが多く、自宅での軽いウォーキングを勧められることもありますが、薬や道具などを使って赤ちゃんを引き出す場合もあります。
誘発分娩
誘発分娩は、陣痛促進剤や子宮口をやわらかくする薬を使用するなどして、陣痛を人工的に誘発させて出産する分娩法です。子宮口を開くために「バルーン」と呼ばれるものを子宮に入れることもあります。また、出産予定日を過ぎた場合、計画無痛分娩などのときに使用されることがあります。
吸引分娩
吸引分娩は、お産中に赤ちゃんがなかなか出てきてくれないときにシリコンや金属製のカップを赤ちゃんの頭につけ、陰圧をかけて赤ちゃんの頭の回施を助ける分娩法です。ただし、吸引分娩には次の条件があてはまる必要があります。
・子宮口が全開になっていること
・赤ちゃんの頭が見えるくらいまで下降していること
・破水していること
・すぐに帝王切開に切り替えられる状況であること
この条件を満たしたうえで、赤ちゃんがさがってこなかったり、母体の健康上いきむと血圧上昇のリスクが高い妊娠高血圧症候群と診断されたりする場合に使われます。
鉗子分娩(かんしぶんべん)
また、料理を取り分けるときに使うトングのような専用の器具を使い、赤ちゃんの頭の回施を助けるという応急処置もあります。微弱陣痛で長時間赤ちゃんが下りてこない場合などに鉗子を使って分娩をサポートします。
出産予定日を過ぎてもなかなか産まれてこないと、待ち遠しくなってしまうものです。夏目理緒さんも出産予定日前には「それにしてもいつなんだ…体が重すぎて、苦しい~」とブログでコメントしていました。あまり身体や心に負担をかけず、安心してお産に臨めるようにしたいですね。
参考:出産に関する調査(http://pc.lnln.jp/article/mtihp-0000057.html)
監修:坂本忍(産婦人科医)
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