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糖尿病患者の一般的なイメージといえば、「ぜいたくな食事をしている人」「太っている人」「甘いものをたくさん食べている人」「お酒をたくさん飲む人」でしょうか。どれも間違ってはいませんが、必ずしもそうとは言えません。粗食でも、痩せていても、甘いものが嫌いでも、お酒を飲まない人でも、糖尿病になる可能性があります。その理由のひとつに、「遺伝的素因」が挙げられます(2型糖尿病と言う)。肉親に糖尿病の人がいた場合、そうでない人に比べて糖尿病になりやすいことがわかっており、そこには、2型糖尿病の原因となる遺伝子異常がいくつか見つかっています。
遺伝性の糖尿病と知ったBさん
父親の辛い糖尿病闘病生活を見てきたBさん(45歳・男性)は、自分は同じような思いをしたくない、と健康的な生活を心がけています。太らないように、食事はいつも腹8分目、毎日運動もしています。しかしながら、健康診断の結果で、血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビン・エイチワンシー)が、異常値ではないものの年々上がっているのが気になっています。
「遺伝だから仕方がないとも思っていますが、糖尿病になっても今の生活は続けるつもりです」(Bさん)。
糖尿病は、こうした異常遺伝子が受け継がれること以外にも、様々な異常が積み重なることによって発症するため、はっきりと原因が特定できる例はほとんどありません。また、遺伝的素因はあくまでも「糖尿病になりやすい」のであって、必ず発症するわけではありません。体質を持ちつつ、さらに、食生活の乱れ、運動不足、肥満、ストレス、などの環境因子が加わり発症するものなのです。
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