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帝王切開のリスクって?
その状況において帝王切開がベストな出産方法であったとしても、手術は手術です。そこには麻酔に伴う合併症や、いわゆる術後合併症(縫合不全、感染、腸癒着症など)のリスクもあります。
また、お産時の出血に備え、妊娠中の身体は血が固まりやすくなっていることに加え、手術すること自体も血が固まりやすい状況下にあります。このことから、帝王切開後は、肺塞栓を起こすリスクがあり、これは命にかかわる重大なものです。
もちろん、医療技術も日々進歩しているので、これらのリスクも以前に比べればかなり小さくなっています。だからといって、「帝王切開=安全」という考えは誤りです。
どんな方法でもお産はお産
世の中には、経膣分娩こそがお産であり、帝王切開は正当でなお産でないと考えている人がいるようですが、これはまったくナンセンスです。逆に、「帝王切開だと楽に産める」と考える人もいるようですが、上記のようにそれも間違いです。
出産方法は人それぞれ、その母子に適した最良の方法を医師が熟慮して決定します。大切なのは母子ともにすこやかであること、そして、これから始まる子育てに前向きな気持ちで取り組むことです。
執筆:座波 朝香(助産師)
監修:坂本 忍(産婦人科)
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