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執筆:杉山 崇(神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授)
舛添都知事への批判が過熱しています。「元旦に、龍宮城スパホテル三日月で政策会議」とはいかに多忙な都知事であっても無理がありますよね。
ご本人は「説明責任は果たした」と明言なさっているようですが、そのように受け止めた方は少ないようです。
世の中には無理スジの話をゴリ押しすると逆に反感を買ってさらなる追及を招くパターンが散見されます。舛添都知事は厚生労働大臣も務めて、一時は首相候補とも言われていた経験豊富な政治家で、もっと老獪に追及を逃れる手立てを思いつきそうなものです。しかし、今回は想像力が働かなかったのか、逆に批判が強まっただけでした。
このような想像力の欠如はどのような心理が関わっているのでしょうか。心理学者で神奈川大学教授の杉山崇先生にお話を伺いました。
想像力が欠如する3つのパターン
本来なら想像できる実力がある人なのに、想像力が欠如するのは自分の空想に囚われている時がほとんどです。
3つのパターンがあります。
1つは自分自身や世の中への関心が欠如してしまうパターンです。このパターンでは周りにどう思われるのか構わなくなって、自由気ままな空想の世界に籠ってしまうことが多いです。
2つめのパターンは「創作」に囚われている時です。「何かを生み出す」という高揚感と、「なかなか満足いく形にならない」という焦燥感の狭間で「周りがどのように見るか」という想像力を無くすのです。
そして、3つめのパターンは「すべて思い通りに行くはずだ」という空想に囚われている時です。身の回りの人々や世の中が自分の拡張物のように感じられて、自分に不都合な展開を想像できなくなっているのです。
上の2パターンの場合は、あまり社会と関わろうとしません。本当に身近な人以外は気にしないものです。むしろ社会とは距離ができることが多いですね。政治家さんやタレントさんなど、社会的な立場を維持している人がこのパターンに陥ることはとても珍しいことです。
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