(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
妊婦さんだけが感染するの?
どこにでもいる原虫ですが、「初めて聞いた」という方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、健康な人にはあまり害をおよぼすことがなく、着目される機会が少ないのです。
さて、前述のとおり、どんな哺乳動物にでも感染しますから、誰でも感染する可能性はありますが、通常は免疫が働き感染に気づかないこともあります。
また、特別な症状もなく、風邪のようなものだといわれています。
妊娠中に感染したとしても、妊婦さん自身への影響はこの程度です。
なおかつ、トキソプラズマに一度感染すると、後は免疫を獲得するので、普通は二度も三度も感染することはありません。
感染が問題になるケースとは?
一般的にはあまり問題にならないトキソプラズマ症ですが、免疫がかなり弱い状態の人や妊婦さんは、注意を払う必要があります。
免疫がかなり弱い状態とは、たとえば、HIVの人(免疫不全)や臓器移植などで免疫抑制剤の治療をしている人などです。
このような人にとっては、脳炎や肺炎、視力への障害など重篤な症状を引き起こすので、大変怖い感染症です。
さらに、一般的に身近な問題となりうるのは「先天性トキソプラズマ症」です。
先天性とは、生まれたときにすでにトキソプラズマに感染している、つまり、お腹の中で感染してしまっているのです。
次項では、この「先天性トキソプラズマ症」についてもう少し詳しく説明していきましょう。
スポンサーリンク