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先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんとは?
妊婦さんがトキソプラズマに初めて感染し、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも感染(母子感染)した場合、先天性トキソプラズマ症になる可能性があります。
症状としては、残念ですが流産や死産という経過をたどることもありますし、脳や目に障害が生じることもあります。
一方で、症状が現れないケース(不顕性)、思春期頃までの間に遅れて発症するケース(遅発性)も見られます。
また、仮に妊婦さん自身がトキソプラズマ症でも、必ず母子感染するわけではありませんし、赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症だとしても、症状や程度はさまざまです。
現在は、妊娠中にトキソプラズマへの感染を検査し、母子感染のリスクまで調べる検査方法の確立が待たれているところです。
日ごろの注意で予防できないの?
妊娠する可能性のある人や妊娠中は、次のようなことに注意をすると、トキソプラズマ感染を防ぐことができます。
非加熱食肉を控える (牛刺、馬刺、生ハム、サラミやジャーキーなどの乾燥食肉も含む)
肉は中心部まで火を通す(中心部が67度になるまでの加熱が有効)
まな板や包丁などの調理器具を清潔に保つ(肉用とその他の食材で使い分ける、食材ごとにこまめに洗うなど)
生野菜や果物は、食べる前にしっかり洗う
庭いじりや砂場遊びなど、土や砂を触るときはゴム手袋をして、終わったらきちんと手洗いやうがいをする
猫のトイレは毎日こまめに掃除をする(なるべく妊婦さん以外が行う)
このように、知っていれば日常で気を付けられることがたくさんありますので、実践していきましょう。
トキソプラズマは、インフルエンザのように空気中に飛んで感染が拡大することはありません。
過剰に恐れないで、目や口からトキソプラズマが直接入らないように注意しましょう。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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