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お風呂とお酒の相性は最悪!
お風呂もお酒も、どちらも適切に活用すれば「健康」によい効果をもたらしてくれます。
お酒の効用
「酒は百薬の長」とは中国の史書『漢書』に由来します。
適度のアルコール摂取は心臓病などの循環器系疾患を抑えるというものです。
お酒は、食欲増進、ストレスの解消、コミュニケーションの円環性といった効果とあわせて、「血管を拡張させ血液の流れを良好にする」、「血行を改善して身体を温める」、「疲労回復への貢献」、「血管が詰まりにくくなる」といった、循環器系への効用が見込まれます。
お風呂の効用
一方、お風呂の方は、医学的な健康作用としてよくあげられるのは、浮力作用によるリラックス効果です。
また、身体に水圧がかかることで、血液の循環が促進され(静水圧作用)、湯につかることで血管が広がり(温熱作用)、血流を改善し筋肉を柔軟にします。
ひいては、デトックスや疲労回復、慢性的な痛みの軽減などの効果はよく知られているところです。
しかし、二つが重なるとそうはいきません。
どちらも、血行を良くする効用があり、悪い意味での「相乗効果」となるのです。
以下のとおり、身体に大きな負担となる可能性が高いとされています。
・全身への血流量が増え、脳や心臓に回る血流が急激に減少する
ふらつきや、酷い症状では意識障害が起こることもあります。
浴槽内でおぼれたり、転倒したりするケースにもつながります。
・入浴中はアルコールが全身に回りやすい状態になる
とくに、脳血管での吸収が急激に増加すると激しい頭痛を伴うこともあり、脳卒中にも注意が必要です。
・アルコールの利尿作用と入浴の発汗により血液の水分が少なくなる
そうなることで血液の濃度が上がり、血栓ができやすくなります。血栓は血管内の血小板や血液の塊で、これらが血管につまり、血流を止めてしまうことで心筋梗塞や脳梗塞が引き起こされます。
また、脱水症状から肝機能が低下し、アルコール分解が妨げられる症状も起こます。
さらに危険!冬のお風呂
風情ある冬の露天風呂。
雪見風呂なんて情緒たっぷりですが、入浴シーンとしては危険がいっぱいです。
なぜなら、短時間で皮膚が大きな温度変化にさらされるからです。
露天風呂のある寒い戸外に出ることで、鳥肌が立ちます。
これは、体温を逃がさないように血管が収縮し、血圧が上昇している状態です。
まもなく、熱いお湯につかります。
すると、今度は血圧が急激に上昇します。やがて、お湯の中で落ち着くと、今度は急に血圧が下がります。
このように、寒暖の激しい変化が心臓や血管に強い影響を与え(ヒートショック)、さらに、アルコールがそれを促進して危険度を高めるのです。
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