(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆者:山本恵一(メンタルヘルスライター)
ニコチンはアルコールとともに、身近な依存性薬物の代表です。喫煙をやめられない人は、日本に1300万人いると言われています。
肺がんをはじめとする健康被害が報告され、タバコのコマーシャルが規制される国もあるほど有害物質なのに、止められない人が多いのは、「 ニコチン依存症 」のゆえでしょう。
禁煙とその失敗の繰り返しは、禁断症状の卑近な例です。
ニコチン依存性のメカニズム
ニコチンは呼吸や循環など生命維持に関わる「脳幹」と、情動などに関わる「大脳辺縁系」に作用します。
ニコチンには、量が少ないと興奮性に、多いと抑制性に働く二面性の作用があって、ぼんやりしている時にゆっくりと吸うと頭を活性化させ、イライラしている時に吸うと、急速に気分が落ち着きます。
しかも、麻薬などに比べると即効性があり、吸煙後10秒程度で、脳の報酬系神経回路を活性化させ、すぐにその効果が切れます。
ですから、タバコを吸っている間、ごく短い快感の発生と喪失が繰り返されます。その回数はタバコひと箱で200回にも及ぶと言われています。この繰り返しが脳に記憶され、依存性が形成されます。
スポンサーリンク