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マタハラのメカニズム について、豊富なカウンセリングの経験をお持ちの神奈川大学 杉山教授にお話を伺いしました。
「お妊婦様も育児ママもお気楽でいいわね。仕事を何だと思っているの?」
「残業が続くとデートする時間もないじゃないの。妊婦も育児ママも、許せない!!」
これは、最近の職場で時に耳にする女性の心の声の一つです。
妊娠は「おめでた」、出産は「子宝」と、マタニティは古くから喜ぶべきものとされてきていました。
妊婦や育児中の母親であるというだけで女性は優遇され、大切にされる存在でした。なぜなら、子どもという宝物を育てているのですから。
大事にするのは、本当は当たり前のことなのです。
しかし、女性の社会進出が進む中で、女性も男性と同じように働くようになってきました。そうすると、ちょっと事情が変わるようです。
マタハラのメカニズム :仕事のしわ寄せが従業員にくるという現実
妊婦や育児ママを大切に扱わないことはマタニティ・ハラスメント、通称「マタハラ」と呼ばれています。
もともとは妊婦や子育てに理解と配慮がない男性たちの問題でした。
しかし、職場でマタニティに対する理解と配慮が制度化され、一般の良識ある男性は内心はともあれこの制度に従うようです。
すると、今度は女性による妊婦への反感や嫌がらせが始まったのです。
もはや、女の敵は女……と言える状況なのかもしれません。
今日、行政指導の結果として職場ではさまざまな面で出産・子育てへの配慮が制度として行われています。
しかし、この制度は他の労働者の負担や不公平感への配慮が伴っていないことがほとんどです。つまり無理のある配慮制度が取られている企業さんが多いようです。
制度そのものに無理がある場合もあれば、未完成な制度にとどめておいて「あとは現場の努力でがんばってね!」という企業さんもあるようです。
そして、その無理をかぶるのはその他の従業員の人たち。
このことが不満を煽ることになります。
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