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執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:坂本 忍(医学博士)
米大リーグのC・C・サバシア選手(ニューヨーク・ヤンキース)が更生施設でアルコール依存症の治療を受けることが分かりました。サバシア選手はチームから活躍を期待されていましたが、健康状態の回復を優先したかたちです。サバシア選手はアルコール依存症の克服 に強い意欲を持っています。しかし、それでも更生施設に入る必要がありました。なぜ、禁酒の決意だけではだめなのでしょうか。
アルコール依存症の克服 多量飲酒から連続飲酒へ
まず、アルコール依存症がどのようなものなのかを確認しておきましょう。アルコールを飲んだときの解放感、幸せな気持ちを忘れられず、アルコールを飲み続けてしまうのがアルコール依存症です。
アルコール依存症の原因は多量飲酒です。厚生労働省は1日平均60gを超える飲酒を多量飲酒と定義しています。この量はビールの中ビンで3本、日本酒で3合、25度の焼酎で300mlに相当します。
アルコールを頻繁に飲んでいると次第に耐性がついてきます。お酒に強くなってくるのです。少量のアルコールではなかなか酔わないので、より多くの量を求めて酒量が徐々に増えていきます。もはやアルコールの摂取を自分ではコントロールできなくなり、量だけでなく、飲む場所やタイミングについても見境がなくなってきます。
アルコールを絶え間なく飲み続けることを連続飲酒といい、アルコール依存症の典型的な症状とされています。連続飲酒の状態に陥ると、体内のアルコール濃度を常に一定以上に保っておけなければ気が済まなくなります。いつでも飲む、どこでも飲む、という状態になれば周囲の信用も失います。本人はそのことに薄々気がついていても、自分の都合の良いように解釈して、飲酒が原因であることを認めようとしません。
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