あまり知らない「不育症」について、専門家が詳しく解説

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あまり知らない「不育症」について、専門家が詳しく解説

公開日時

 

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

 
 

妊娠・出産年齢の高齢化によって、「不妊症」という言葉を耳にする機会は増えてきました。
 
一方で、「不育症」という言葉については、初めて聞く方もいるかもしれません。
 
今回は、不育症について、詳しく解説いたします。
 

 

不育症ってどういうもの?

 
妊娠したにもかかわらず、流産をくりかえしてしまうことを「不育症」といいます。
 
「不育症」は正式な専門用語ではなく、流産の回数などについても統一した概念があるわけではありませんが、ある研究では、流産を3回以上繰り返す「習慣流産」、および2回以上繰り返す「反復流産」に加えて、死産や早期の新生児死亡をくりかえすものを含めて、「不育症」と定義しています。
 
では、そもそも流産とはどのようなことを指すのでしょうか?
 
 
日本婦人科学会は「流産」を「妊娠22週未満の胎児が母胎から取り出されること」と定義しています。さらに、流産は早期と後期にわけられています。

 

早期流産

妊娠12週未満の流産。流産のうち、およそ90%が早期流産
 

後期流産

妊娠12週以降22週未満の流産

 
また、妊娠22週以降の胎児が死亡した状態で出産される場合は、死産にあたると考えられています。
 
ここでひとつ気をつけたいのが、「生化学的妊娠」による流産に関しては、不育症には入らないということです。
 
生化学的妊娠とは、妊娠検査薬で「陽性」反応が出たにもかかわらず、病院で妊娠が確認される前に流産をしてしまうことをいいます。巷では「化学流産」などとも呼ばれているようですが、正式には「生化学的妊娠」という名前がつけられています。
 
この生化学的妊娠は、正式な妊娠ではないため、不育症の概念には含まれていません。

 
 

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