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イギリスの栄養食品会社が、1年間「固形食品」を禁止し、 液体食品 (Huel)だけを食べ続けたらどうなるかを試す被験者を募集しているニュースが報じられ、話題になっています。報酬額は1年間で報酬651万円。食品には人間に必要な栄養素がすべて含まれており、ダイエット食品としても人気です。以前から「食事をしないのは不健康だ」という批判の声があり、それに応戦する形でこの企画が生まれたそうです。
固形物は一切食べないという条件で1年間を過ごす実験。 液体食品 のみで人間は生きていけると証明したいそうですが、果たして健康面での問題はないのでしょうか?
「生命維持」のためなら 液体食品 でも可能
私たちは当たり前のように「食べること」を行っています。何のために食べているのでしょうか。一番は、生命維持のために必要だからです。そして、食べることが生命維持のためだけならば、栄養素が入ったこの液体食品だけで生命を維持することは可能です。
現実的に、口腔内や咽頭などの疾患で口からものを入れられなくなった患者は、中心静脈栄養や経管栄養、胃瘻(いろう)などという方法で栄養確保をしています。その状態で数年ほど生命維持は保たれます。
しかし、それらの患者は病気があり、現在の身体の状況からやむを得ずとった、いわば「非常手段」です。ですから、担当の医師は、何とか1日でも早く口からものを食べられるようにと懸命の治療をします。
この実験では、液体栄養食品を飲み続ける人は、健康な人です。1年後にこの被験者たちがどのような感想を持つのかはわかりませんが、人間にとって「食べる」とは何かを考えさせるきっかけになるように思います。
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