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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
梅雨が明ければ、猛暑のシーズンに突入。夏のアウトドアレジャー本番の季節がやってきます。
たくさんの人が出かけていくことでしょうが、毎年、山でも海でも事故の多いのも、この時季の特徴です。
そんな海や川での水の事故、自分は「泳ぎが得意だから大丈夫」なんて思っていたら要注意。必ずしもそうだとは言い切れないのです。
今回は、水の事故予防という観点から、「泳ぎが得意な人でも溺れる理由」をとり上げてみました。
溺死の原因は錐体内出血
健康上、何の問題もなく、また、ぎの得意な人でも溺水(できすい=溺れる)してしまう原因があると指摘しているのは、東京都監察医務院で死体の解剖に携わってこられた上野正彦医師です。
溺死体の解剖から、溺死者の50~60%に「錐体内出血(すいたいないしゅっけつ)」が見られることに気づいたと上野医師は言います(『ヒトはこんなことで死んでしまうのか』インデックス・コミュニケーションズ刊)。
錐体内出血とは、どのような状態を指すのでしょうか?
耳の奥にある頭蓋底(とうがいてい=頭蓋骨の中心部で脳を下から支えている部分)に、中耳や内耳を取り囲む「錐体」という骨があります。この骨の中に出血が生じている状態が「錐体内出血」です。
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