(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:山本 ともよ(管理栄養士)
医療監修:株式会社とらうべ
「和食」が無形文化遺産に登録されましたが、お正月のおせち料理は和食の代表格といえます。
かつて年末の台所は忙しく、おせち作りに慌ただしい光景が見られました。しかし最近では、作らずに買う家庭も増えてきているようです。
そのおせち料理、実は一品ずつに「幸せのメッセージ」が込めらています。詳しくご紹介していきましょう。
おせち料理に入っているもの
おせちと言ってもタイプはさまざまで、重箱に詰めたり大皿に盛ったり、家庭によっても違いがありますね。
正式には四段重ねですが、地域や家庭によって五段重が基本の場合もありますし、人数が少ない家庭では三段重も増えています。
それぞれの重箱には、次のようなものが入っています。
一の重
・祝い肴
お酒のおつまみ(黒豆、田作り、数の子、きんぴらやたたきごぼう)
二の重
・口取り
紅白蒲鉾、伊達巻、栗きんとん、昆布巻き、酢の物(紅白なますなど)
三の重
・焼き物
海の幸(鯛、エビ、ブリなど)
与の重
・煮しめ
山の幸(やつがしら、くわい、蓮根、人参、しいたけ、タケノコ、こんにゃくなど)
なお、五段の場合は五の重は空になっていることが多く、「現在が満杯の状態ではなく、さらに繁栄し、まだまだ幸せが入ってくるように願を込めたもの」だとか。
おせち料理の意味 おせち料理の中身と縁起
おせちの各品には意味が込められ、栄養価も優れています。
黒豆
「まめ」は丈夫・健康を意味する。まめに暮らせるようにと願いもこめられている。良質なタンパク質が豊富。大豆イソフラボン、アントシアニンなど抗酸化作用を持つ成分も豊富
田作り
小魚を田畑の肥料にしていたので「田作り」と呼び、五穀豊穣を願う。カルシウムや亜鉛などのミネラルが豊富
数の子
ニシンの卵。「ニシン(二親)から多くの子が出る」と、子宝と子孫繁栄を願う。EPA・DHA、ビタミンB12が豊富。ただし、コレステロールも多いので、コレステロール値が高めの人は控えめに
えび
長いヒゲと腰が曲がった様子から、長寿を願う意味を込めている。高タンパク低脂肪、低カロリー。カルシウム、ビタミンE、タウリンも豊富
昆布巻
「よろこぶ」の言葉にかけて、一家発展の縁起もの。カリウム、カルシウムなどのミネラルが豊富。食物繊維も豊富
紅白かまぼこ
日の出の象徴。紅はめでたさと喜び、白は神聖を表す。白身魚のすり身から作られているので、良質なタンパク質が豊富
栗きんとん
金の塊や小判にたとえられ、財宝の象徴。豊かな1年を願う。裏ごしをして、茶巾絞りにしたサツマイモ、に栗を入れてもの。ビタミンCや食物繊維が豊富
蓮根
穴が開いた蓮根は、先を見通せるようにとの祈願。ビタミンCや食物繊維が豊富。
ごぼう
細く長く根を張るごぼうは、細く長く幸せを願う。食物繊維が豊富。水溶性食物繊維、不溶性食物繊維をバランスよく含む
スポンサーリンク