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妊活ってどんなことするの?

最近は30代後半で出産する人もめずらしくありませんが、多くの人は、仕事をセーブし、妊娠を意識した静かな「 妊活生活 」を送っているようです。30代後半で結婚と妊娠を考える女性にとっての、妊活生活の必要性について解説しましょう。

お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さん(35)が予定日の12日から10日遅れとなる6月22日、都内の病院で第1子となる男児を出産したということです。体重は3885グラム。母子ともに元気だということです。夫の鈴木おさむさん(43)は自身のブログで、大島さんが2度の流産、子宮筋腫の手術などを乗り越えて待望の出産を成し遂げた様子をみて、「わが子が妻の体から出てくる瞬間を見ました。その瞬間を二文字で言うなら 奇跡」とつづっています。大島さんは2014年1月から妊活休業していました。

 

不妊治療の効果は年齢とともに下がる

厚労省の人口動態調査(平成25年1月1日〜同年12月31日)によると、母の年齢(5歳階級)別での出生数では、14歳以下と20〜34歳の各階級で前年より減少していますが、15〜19歳と35歳以上の各階級では前年より増加しています。

  女性の社会進出や晩婚化によって、高齢妊娠・出産が増加している昨今、10人中1人は35歳以上の妊婦さんといえます。

  しかし、一般的に、女性の妊娠力が低下し始めるのは、33歳ごろからとされています。これは不妊治療の成績が32歳を超える年齢からガクンと下がるためです。

日本産科婦人科学会2010年のデータによると、不妊治療を行っている女性の年齢別に見る生産分娩率は下記の通りです。

・25歳  25%~30%
・30歳 19.9%
・35歳  16.3%
・39歳 10.2%
・40歳  7.7%
・41歳  5.3%
・43歳 2.0%
・44歳 1.3%
・45歳 0.6%
*数値は、生産分娩数/総治療周期数

  上記からわかるように、女性の妊孕力(にんようりょく:妊娠できる力のこと)は30歳位から徐々に低下し、35歳を超えると低下スピードがアップします。そして44歳以降では妊娠する可能性は1%台にもなってしまうのです。  

原因として考えられるのは、主に卵子の老化によるもので、卵巣内の卵母細胞数が急激なスピードで減少していくためです。

 

覚えておきたい 妊活生活 :40代に入れば流産のリスクも

精子と卵子の受精確率は、排卵日近辺に性交をした場合で約80%の確率で受精します。しかし、受精が成功しても着床する確率はその半分以下となります。そして、着床後妊娠継続する確率は10〜20%となります。

  厚労省の人口動態調査(平成25年1月1日〜同年12月31日)によると、不妊治療における年齢と流産率は下記の通りです。  

・35歳 10%
・40歳  35.1%
・45歳以上  66.0%
* 数値は流産数/妊娠周期数

  卵子の老化は、流産率とも密接に関係しています。加齢・老化による卵子の染色体異常や卵子そのものの生命力の低下が原因だといわれています。

 

結婚後は妻の仕事をセーブして 妊活生活 に

晩婚化で高齢出産があたりまえとなっている昨今。子どもを望む夫婦であれば、早めに妊活生活に入ることが大切なことはいうまでもありません。  

最近は量・質とも男性と同じような仕事をこなす女性が増えています。しかし、今がどんなに忙しい時期だとしても、仕事をセーブする決意をした大島さんのように、結婚後の自分と仕事との関わり、そして家族設計に関しても、夫婦でよく話し合って選択し、もっとも自分に適した道を模索していく必要があるのかもしれません。

<参考>
厚生労働省人口動態調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html  

不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会 報告書
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147474&name=0000013498.pdf#search='厚労省+自然妊娠+年齢別'

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