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お互いがそれぞれの疾患に影響する可能性が高いといわれている「うつ」と「アルコール依存」。
このシリーズでは、実話をもとに「うつ」と「アルコール依存」を全15回に分けてご紹介します。それらが原因で家庭内に起こるケースも多いDVやモラハラ、共依存といった問題について掘り下げていきます。
（前回からの続き）
ストレスからくる「うつ状態」と飲酒癖が原因で、5年間勤めた会社を退職したSさん(仮名・31歳)でしたが、その後も毎晩の深酒がやめられず、家に閉じこもりがちな日々が続いていました。
また、会社を辞めた直後には落ちついていた精神状態も、過度の飲酒のせいかまた不安定になりはじめていました。この時期のSさんは、お酒を飲んでいないときにはつねにイライラして神経が張りつめており、ちょっとしたことで激昂して怒鳴りちらしたり、物にあたったりすることも多かったといいます。

 

うつ病と飲酒癖 : 家族とも口をきかない

Sさんは妻との2人暮らしでしたが、気分がふさいでいるときは妻とも口をきかないことも多くなり、やがて食事も自分の部屋で1人でするようになりました。
こうしたSさんの態度は、あきらかにSさんの妻に対するモラル・ハラスメント(モラハラ)といえるものであり、いつしかSさんの妻は、Sさんが機嫌を損ねないように、いつも過剰に気を遣いながら生活するようになっていました。

 

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