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向精神薬を飲んで、お酒も飲む
耳鼻咽喉科の医師に処方された向精神薬を服用しはじめた当初は、Sさんの精神状態は落ちついたかのように見えました。しかし、それもほんの束の間のことでした。
医師からの注意も特になかったため、Sさんは向精神薬を服用した後でも平気でお酒を飲んでいました。もちろん、調剤薬局でもらった薬の一覧表には、「お酒との併用はしないこと」という内容の注意が書いてあったのですが、Sさんは読んでいません。
やがて、向精神薬との相乗効果で、Sさんはお酒を飲むと昏倒するように眠ってしまうことが多くなりました。さらに、Sさんは毎晩のように記憶も失くします。それは以前のように「酔っぱらっていて思い出せないことがある」というようなレベルのものではなく、その夜の記憶がスッポリ抜け落ちてしまっているようなひどい状態なのでした。
(次回に続く)
※本文は実話をもとに脚色を交えて構成しています。実在の人物・団体とはいっさい関係がありません。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)コラムニスト
舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。
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