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うつ病と就職活動 : 「うつ」「ひきこもり」の経験のある施設長
面接にあらわれた施設長は、職場や仕事の内容についてSさんに説明するとともに、自分にも20代のときに「うつ」によるひきこもりの期間が3年以上あり、さまざまな支援事業やボランティアへの参加を経て社会復帰を果たした経験があることを話しました。
施設長の「だからこそ、かつての自分とおなじ悩みを持つ人を支援したい」という言葉は、「うつ」やアルコール、向精神薬の副作用などで弱っていたSさんの心に強く響いたそうです。
提示された時給は、こうした施設でのアルバイトの例にもれず、850円という決して高くない金額でしたが、「シフト制で体調を考慮しながら勤務できる」という点に魅力を感じ、Sさんはグループホームでの仕事に就くことを決めたのでした。
また、自分の上司にあたる人物が、「うつ」などの心の病に理解のある人物であるということも、Sさんにとっては「安心して仕事に就ける」大きな要素だったといいます。
(次回に続く)
※本文は実話をもとに脚色を交えて構成しています。実在の人物・団体とはいっさい関係がありません。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)コラムニスト
舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。
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