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お互いがそれぞれの疾患に影響する可能性が高いといわれている「うつ」と「アルコール依存」。
このシリーズでは、実話をもとに「うつ」と「アルコール依存」を全15回に分けてご紹介します。それらが原因で家庭内に起こるケースも多いDVやモラハラ、共依存といった問題について掘り下げていきます。
(前回からの続き)
飲酒癖と精神状態の不安定さから会社を退職し、妻とも別居することになったSさん(仮名・当時33歳)が、お酒を飲むのをキッパリとやめてから1年が経ちました。
今になってみると、会社を辞めた当時の不安定な精神状態や人間関係のトラブルには、「自分の飲酒癖が大きく関係していた」とSさんはいいます。
断酒とうつ病 : お酒で気分が高揚しても…
アルコール依存のトラブルを抱えていた頃、Sさんは同時に「抑うつ」や「不安」「イライラ」「不眠」などの症状にも悩まされていました。
一般的に、お酒は一時的な高揚感やリラックスをもたらし、簡単に入手できるため、精神的な依存におちいりやすいといわれています。
しかし、過度の飲酒のあと、アルコールの作用が切れたときに待っているのは、体調不良からくる不快感や倦怠感、沈んで落ち込んだ精神状態などです。
お酒を飲むと高揚し、アルコールの作用が切れると沈みこんでいた当時の精神状態を「まるでジェットコースターのようだった」と、Sさんは振り返りました。
よく、「お酒を飲んでイヤなことを忘れる」といいますが、不快な感情を飲酒でまぎらわす癖がついてしまうと、お酒抜きで「イヤなこと」に立ち向かうことが難しくなり、依存を悪化させるともいわれています。
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