（※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます）

断酒とうつ病 : ジェットコースターから降りるには

 
グループホームでの仕事はアルバイト扱いのため、会社員時代よりも収入は減りましたが、断酒して1年を過ぎたころには、別居していた妻もSさんのもとに戻り、Sさんの日常は、「うつ」や「アルコール依存」におちいる前の平和さを取り戻しつつありました。
 
いまでは、Sさんは「自分がお酒を飲むとコントロールが効かなくなる」ということを自覚しており、精神状態の不安定さという「ジェットコースター」から降りるためには、「お酒を飲まない」という選択しかないこともわかっているといいます。
 
アルコール依存症からの回復には、いまのところ「断酒」以外に道はないといわれているのです。
 
いつも楽しく適量のお酒を飲めている人なら問題ありませんが、飲みすぎで心身に負担がかかっていたり、お酒の上で人間関係のトラブルを起こした経験があったり、お酒を飲むことで現実の問題から目を背けたりしている人は、一度「自分とお酒のつきあい方」を見直してみる必要があるかもしれません。
（了）

 
※本文は実話をもとに脚色を交えて構成しています。実在の人物・団体とはいっさい関係がありません。
 
 
 
＜執筆者プロフィール＞
井澤佑治（いざわ・ゆうじ）コラムニスト
舞踏家／ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。

スポンサーリンク