ホルモン剤はなんとなく怖い…と思っていませんか?~ ピルの効果と副作用 について~

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ホルモン剤はなんとなく怖い…と思っていませんか?~ ピルの効果と副作用 について~

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 ピルの効果と副作用 :どんな副作用があるの?

 

ピルを飲み始めてしばらくは、身体が慣れないために、吐き気やむかつき、乳房の張りなどが出てくることがあります。身体がピルになれてくると、それらの症状はなくなります。

 
不正出血がある場合もありますが、服用を続けているうちになくなってきます。2~3周期様子をみて出血が続くようならば、違う種類のピルに変えてもらうこともできますので、自己判断で服用をやめないようにしてください。
 
ピルを飲まない間の7日間に、月経のような出血が現れます。それを「消退出血」といいます。ピルの服用を続けると、この出血がなくなることがあるかもしれません。基本的には心配ありませんので、そのまま服用を続けましょう。
 
ただし、妊娠(避妊の失敗)の不安がある場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。
 
重篤な副作用としては血管の中で血が固まってつまってしまうという血栓症のリスクが、ピルを服用しないときの約3倍になることが知られていますが、妊娠出産前後ではピルの200倍の血栓症のリスクがあります。
 
血栓症はほっておくと命にかかわる怖い病気ですから、手足のしびれ、ふくらはぎの痛み、胸の鋭い痛みや押しつぶされるような痛み、息切れ、などがあった場合は、すぐ処方してもらった医師に相談してください。
 
お薬と一緒に服用者携帯カード・患者携帯カードをもらったら、お守りとしてお財布などに入れ常備するようにしましょう。

 
 

 ピルの効果と副作用 :「ホルモン剤は怖い」というイメージ

 

「ホルモン剤」というと「怖い」「不自然」だと抵抗感を示す人も多いのでないでしょうか。
 
しかし、低用量ピルをはじめホルモン剤に限らず薬には作用と副作用があります。また、昔の女性に比べて一生涯の生理の回数が増え、子宮や卵巣を酷使している現代女性にとっては、ホルモン剤をはじめ薬を使ってバランスを整えていく、不調を改善していく、というのは、女性として健やかに暮らすために必要なことだと言えます。
 
副作用の程度や頻度をしっかり理解し上手に活用すればQOLを向上させることができます。
 
ここでは、ピルに関するよくある質問についてまとめてみました。

 
 
Q.ピルを飲んでいるとき喫煙してもいいの?
 
ピルを飲んでいて喫煙すると、循環器系の病気のリスクが高まります。つまり、タバコを吸う習慣のある人がピルを飲むと、血栓症や心筋梗塞にかかる危険性がダブルで高まるという報告があります。ですから、タバコを吸う習慣のある人で、ピルを飲みたい人は禁煙したほうがいいでしょう。
 
 
Q. ピルは子宮筋腫に影響する?
 
子宮筋腫は、エストロゲンに依存して大きくなるとものがあります。けれどもピルを服用することで子宮筋腫による過多月経を軽くすることができるのも事実です。子宮筋腫のある方は主治医の先生とよく相談して使用しましょう。
 
 
Q.ピルを飲むと太る?
 
ピルを飲むと太ると心配する人がいますが、低用量ピルでは、ほとんどの場合、そのようなことはありません。

 

※本文中の「ピル」「低用量ピル」は避妊を適応にもつ経口避妊薬のことです。

 
<取材協力>
バイエル薬品株式会社
 
 
太田郁子先生・倉敷平成病院婦人科医長
 
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
 
<執筆者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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