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小細胞肺がんの治療
ところが、このたび東京大学医学部附属病院の百瀬敏光准教授ら、同大学先端科学技術研究センターの教授たちからなる研究グループは、放射性同位元素で標識した「がん細胞にのみ結合する抗体」を開発。この抗体を、小細胞肺がんを移植したマウスに投与したところ、がん細胞の殺傷に成功。腫瘤を縮小させる効果が明らかにされたのです。
この抗体を投与すれば、体内から放射線治療が行えるようになります。いわゆる「放射免疫療法」です。
抗体を使ったミサイル療法などとも呼ばれています。
がん細胞のみに結合する抗体を使えば、がん細胞を集中的に攻撃できるようになるため、従来の抗がん剤と比べ、健康な細胞への副作用が抑えられるという利点があるのです。
この抗体に放射性同位元素を標識、放射線による治療効果を得ようというのが、放射免疫療法なのです。
現在、臨床現場では一部の血液腫瘍に対する放射免疫療法薬が認可されています。
この研究の結果は、近い将来、進展型小細胞肺がんの根治、または余命の改善が期待されています。
監修:坂本 忍(医学博士 公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ))
参考:東大病院プレスリリース:放射性抗体による小細胞肺がんの治療法の開発に期待(2015年05月28日)
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/press_archives/20150528.html
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