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症状が重い PMS・PMDD と「うつ」の関係
PMSとPMDDは、どちらも月経前に女性ホルモン(主にエストロゲン)の分泌が減少し、セロトニンの値が低下することが原因ではないかと言われています。セロトニンは感情のバランスをとる働きがある脳内ホルモンで、これが減少することがうつ病の一因とも言われています。
PMSもPMDDも、あまりに症状が重い場合や、長年解決しない場合、仕事や学業などに悪影響が出ている場合は、鎮痛剤などの対症療法で済ませず、一度医師に診てもらうことをお勧めします。PMSやPMDDがひどい場合、大きく分けて2つの理由が考えられます。
ひとつは、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科系の病気、もうひとつは、うつ病に近い脳機能の問題です。したがって、順番としては婦人科を受診して、子宮や卵巣の病気がないかどうかを確認するのが先です。それらに問題がない場合はうつが疑われるので、精神科を受診するといいでしょう。
重い生理の症状は脳に原因がある?
PMSもPMDDも、単に痛みが強いなどの身体的症状だけであれば婦人科の領域です。しかし、気分がふさぐ、暴力的になるといった精神的症状が強く、また臓器にも何も診断症状が見られない場合は、脳の問題である可能性があり、それらは精神科の領域となります。俗に「生理うつ」などと呼ばれるものです。
ただし、生理うつだと診断されても、今度は治療法の面で課題があります。生理うつの治療には、通常は抗うつ薬が処方されますが、抗うつ薬は副作用が大きいため、これから妊娠の予定がある女性には使えません。また、双極性障害の場合は抗うつ薬では効かないケースもあり、効かない薬を飲み続けることにつながります。
薬を使用しない治療法として、いま注目されているのが「磁気刺激治療」(TMS)です。TMSは文字どおり磁気刺激によって脳の一部を活性化させ、うつ病や双極性障害などの症状を抑えていく治療法です。薬のような副作用がないため、特に妊娠中や妊娠の可能性がある女性も安心して受けられます。ただし、TMSは現在のところ保険適用ではなく自由診療に相当するため、それなりのコストがかかります。
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