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更年期障害とHRT治療 :HRTの二つの目的とは
HRTには二つの目的があります。
(1)動悸やホットフラッシュ(ほてり)、発汗といった更年期の症状を緩和することと(2)女性ホルモン(エストロゲン)の低下によっておこる疾病を予防して健康寿命を延ばすということです。前者はわかりやすいですよね。更年期の症状を緩和するためにはHRTのみならず、漢方薬や睡眠薬などの対症療法があります。
一方、(2)の疾病を予防して健康寿命を延ばす・・・という目的は少し難しくなってしまいます。エストロゲンが低下すると、8~10年で3大疾病(動脈硬化・骨粗鬆症・認知症)のリスクが高まることが分かってきました。
つまり、閉経後10年20年してこのような病気で、骨折したり、背骨が曲がってしまったり、心筋梗塞や脳梗塞で麻痺がでたりと健康を害するわけです。ですから、70歳でも健康でいるために、疾病の発症を予防して、健康である寿命(期間)を伸ばそうというわけです。
20代など若い世代の人にとっては、まだ骨粗鬆症・骨折などといってもピンとこないと思いますが、長い先を見据えて病気を予防するといった考え方です。
この二つ目の目的のために、HRTはあります。残念ながら漢方薬や対症療法、一部の大豆イソフラボン製剤には疾病を予防する効果はありません。HRTが勧められる理由は、症状を緩和するばかりではなく、将来の病気を予防できるということにあるのです。
更年期障害とHRT治療 :いつ始めれば良いの?
生理が2か月以上こなくなって、発汗やホットフラッシュなどの症状がでてきたら、一度婦人科を受診してホルモンの検査をしてもらいましょう。
できれば、腰椎や大腿骨頸部の骨密度も測ってもらうと、あなたに骨の貯金がどのくらいあるかがわかります。そしてエストロゲン濃度から、HRTの開始時期を医師と相談して決めてもらうといいでしょう。
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