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咽頭がんと喉頭がん :症状の違い
- ・上咽頭がん
鼻腔のもっとも奥にある咽頭へつながる部位にできるがんです。鼻詰まりや鼻血、鼻水に血が混ざるなどの症状が見られます。また、耳が詰まった感じがする、聞こえにくいなどといった症状が表れることも。さらに、脳神経に症状が表れると、目が見えにくくなったり首のリンパ節が腫れることがあります。
- ・中咽頭がん
口を開けたときに、口の奥に見える場所にできるがんです。症状が出にくく、気づかないうちに進行する傾向があります。食べ物を飲み込むときに違和感があったり、喉がしみたりといった痛みを感じることもあります。
- ・下咽頭がん
喉の奥にある喉仏から、食道につながる場所にできるがんです。耳の周りに痛みを感じたり、リンパ節に腫れやしこりができるのが特徴。物を飲み込むときに異物感やしみる感じがします。声が枯れるといった症状も特徴的です。
上咽頭がんはウイルス伝染が関わることがわかっており若い世代に発症することがあります。中咽頭がん・下咽頭がんは飲酒や喫煙が主な原因で、中高年の男性に多く見られます。
のどにできるという共通点がある 咽頭がんと喉頭がん ですが、発声機能が直接問題になるのは喉頭がんの方です。喉頭に近い下咽頭がんについては、がんが進行し、喉頭をすべて取り除く手術が必要な場合に発声機能が問題になります。つんく♂さんは喉頭がんのため、発声機能が問題となりました。これに対し、坂本さんは咽頭がんのなかでも中咽頭がんです。坂本さんに関して、「声の喪失」があまり話題にならないのも納得できますね。 咽頭がんと喉頭がん には共通点もあります。共に、初期のがんであれば放射線療法が効きやすいとされています。また、原因の多くは、飲酒や喫煙である点も似ています。過度な飲酒や喫煙を控えることは、 咽頭がんと喉頭がん の両方の予防につながります。
<参考>
咽頭がんの坂本龍一「万が一にも疑いもしなかった」(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1517359.html
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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