若者に増える「 デジタル認知症 」の危険性

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若者に増える「 デジタル認知症 」の危険性

公開日時

<執筆>
Mocosuku編集部
<監修>
岡本良平(医学博士 東京医科歯科大学名誉教授)

最近、コメディアンの萩本欽一さんが73歳にして大学に合格したというニュースが、世間をあっと驚かせました。
萩本さんはもともとは「認知症を予防するため」に勉強を始めたといいいます。

実際に、勉強をすることは認知症の予防にどんな効果をもたらすのでしょうか。また頭を使わないことで若者にも起こる「 デジタル認知症 」の危険性とは。

《記事を音声で聞きたい方はこちらをどうぞ》

※音声ソフトを使用しているため、一部お聞き苦しいかと存じます。何卒ご容赦くださいませ。

固いアタマもやわらかくなる

はじめは、勉強しても何も頭に入らなかったという萩本さん。
「脳が4か月くらい抵抗しました。『今さら覚えない』って。でもね、しつこくやってたら、脳が『わかった。お前がそうするなら付き合うよ』と答えてくれたような気がしました」

人間の脳は、幼い頃からの急速な発育・発達をへて、成人までにひとたび完成しますが、それ以降も、外からの刺激や環境によって、さらなる変化や成長をすることができることが分かっています。
脳には「可塑性」と呼ばれる性質があり、一度固くなったアタマも、やり方次第でまた子どものようにやわらかくなるのです。

また、年を取ると脳の機能は低下し、記憶力は悪くなると思われがちですが、最近の研究で「年齢を重ねても、記憶力は低下しない」ことが分かってきています。

オランダで115歳で亡くなった女性の脳を解剖したところ、脳の機能がほとんど老化していないことが判明。脳の寿命は120年くらいと考えられるようになりました。
高齢になると増える脳梗塞も、脳そのものではなく、血管が衰えることによって起こる病気です。
年を取ると物忘れをする回数が増えるように思いますが、実際には、度忘れの回数は大人も子どももさほど変わりません。
大人は忘れることを「老化」と捉えて深刻になってしまう一方、子どもは思い出せなくても特に気にしていないだけなのです。

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