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夏風邪とは何か?
一般に風邪のウイルスは、低温で乾燥した環境を好みます。冬場の風邪の原因となる典型的な病原体は、コロナウイルスやRSウイルス、インフルエンザウイルスなどです。
冬の風邪と同様に、夏風邪もウイルス感染によって引き起こされます。ただし、ウイルスの種類が異なり、エンテロウイルスやアデノウイルスなどが原因となります。エンテロは「腸」、アデノは「喉」の意味で、夏風邪は発熱に加えて、腹痛や下痢、喉の痛みを伴うことが多いのが特徴です。
夏風邪のタイプと予防法 :今年の夏風邪のタイプは?
インフルエンザに代表される冬の風邪と同様、夏風邪にも同じように流行するタイプがあります。今年(2015年)の夏風邪は、熱とせき、腹痛を主症状とするものが多いようです。感染したウイルスによって、のどの痛みが出たり、下痢を伴ったりします。
手足口病
夏風邪の原因となるエンテロウイルスは腸管で増殖するウイルスの総称で、その中にはコクサッキーウイルス、エコーウイルスなど10種類以上のタイプがあります。そのうちのいくつかのウイルスが「手足口病」の原因とされています。
感染すると手や足や口の周辺、また背中などに水泡ができる病気で、全身に症状が出る場合もあります。今年は手足口病が大流行しており、子供だけでなく、大人の感染も多数報告されています。大人の大半は子供から感染しています。
手足口病にかかった場合、子供は軽症ですみますが、大人の場合は、強い痛みや高熱を発して寝込むケースもあります。症状は1週間ほどで治まります。手足口病の子供がいる場合は、子供の食べ残しは食べない、食器やタオルは別にする、飛沫感染を防ぐために咳やくしゃみが出ている場合はマスクをするなどの対策が必要です。
ヘルパンギーナ
毎年7月頃をピークとして、4歳以下、特に1歳児に流行することが多い夏風邪です。原因ウイルスは多種類ありますが、エコーウイルスやコクサッキーウイルスによるもので、口の中に小さな赤い発疹が生じ、それが水泡となってつぶれます。そのための痛みや不快感で食事はおろか水も飲めなくなる場合があり、脱水症状に陥りやすくなります。
プール熱
急性のアデノウイルス感染症で、発熱、咽頭炎、結膜炎が主な症状です。プールで感染することがあるため、この俗称で呼ばれます。正式名は「咽頭結膜熱」で、飛沫感染するほか、手指を介した接触感染などもあります。5歳以下が全体の約80%を占めていて、成人の発症は多くありません。通常は、数日の経過で治ります。
大人の夏風邪
大人の夏風邪は、ライノウイルス感染によるものが最も多く見られます。鼻や喉、気管支などに、いわゆる「鼻風邪」の症状が強く出ます。高熱が出ることはめったにありませんが、最初は水のような鼻水が出て、次第に粘性の高い鼻水に変わります。のどの痛みや咳も出ます。
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