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副作用のデメリットも
注射のように痛くなく、簡単で効果が高いとなると、日本でも一般化することが期待される鼻ワクチンですが、デメリットとしては副作用の発症率がやや高いことがあります。
弱らせているとはいえ生きたインフルエンザウイルスを使うため、頭痛や発熱など風邪に似た症状や、重い場合には喘息やアレルギー性ショック、ギランバレー症候群などに至る可能性もあります。
より安全な鼻ワクチンへ
そんなデメリットを解消できるとして期待されているのが、徳島大学の研究グループが開発した最新の鼻ワクチン。
この鼻ワクチンは、生きたウイルスを使わないのが大きな特徴。
ウイルスが持つタンパク質をヒトの肺の表面にある「肺サーファクタント」という物質に結合させることによって、免疫反応を増強することに成功したとされます。
肺サーファクタントはこれまで、ウシから取ったものが他の病気の治療に使われていましたが、研究グループはより安全性の高い、ヒトと同型のものの人工合成に成功。
多くのワクチンをより効率的につくることができるため、新型インフルエンザ流行の際に起きたワクチン不足の解消にも役立つかもしれません。研究グループでは近く人への臨床試験を始めたいとしています。
近い将来、シュッとひと噴きでインフルエンザを安全かつ手軽に予防できる日が来ることを期待したいですね。
<監修>
・坂本 忍(医学博士 公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ))
<参考>
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/influvaccine.html
https://kaken.nii.ac.jp/pdf/2011/seika/C-19/16101/22790433seika.pdf
http://www.47news.jp/feature/medical/2010/05/post-328.html
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