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予後と5年生存率
表在性の膀胱がんは、致命的になることは稀です。ただし、膀胱内に多発すること、何度も再発する傾向があり、再発しないほうが珍しいと言わています。
従って、術後数年間は、定期的に受診し、再発・転移がないかどうかを見ていくことが非常に重要です。また再発を繰り返すうちに、浸潤性のがんへと性質が変化することがあるため、この点にも注意でが必要です。
膀胱がんのステージIでは、5年生存率が95%を超えていて、早期の段階で発見すれば、ほとんどの場合は治すことができます。ステージIII以降は、5年生存率が急激に下がりますが、それでも全体平均では約60%あるので、がんの中では比較的予後が良いと言えるでしょう。
現在、手術の際に膀胱に繋がる血管を遮断して、抗がん剤を膀胱と周囲の組織だけに循環させることで、抗がん剤の効果を上げる新しい手術法の試みが行われています。この術式によって、膀胱がんの再発率が大きく下がることが期待されています。
執筆:南部 洋子(看護師)
監修:岡本 良平(医学博士、東京医科歯科大学名誉教授)
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