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「 職場うつ 」の増加が社会問題となっています。うつ病にかかってしまった人の早期回復と社会復帰が重要なのはいうまでもありませんが、一方で、うつ病の蔓延による企業等の生産性低下が懸念されてもいます。この問題について、カナダ・トロントの「依存症・メンタルヘルス研究センター」(CAMH)のキャロリン・デワ氏らのグループが2015年10月、Journal of Occupational and Environmental Medicine誌に研究成果を発表しました。
「 職場うつ 」深刻なうつ状態でもケアを行わない実態
この研究は企業に勤める18~65歳の従業員2,219人を対象にメンタルヘルスに関する調査を行ったものです。電話・ウェブのアンケート結果を解析したところ、従業員の約40%が深刻なうつ状態を経験していることが分かりました。ところが、これだけ多くの人がうつ状態に悩まされているにも関わらず、うつ病の従業員の半数以上にあたる52.8%が専門家の支援を求める必要を感じていませんでした。
うつ病は適切なケアによって改善を図ることができます。一方、ケアを行わず放置した場合は、うつ病が悪化するだけでなく、企業の生産性の低下を招きます。デワ氏は、メンタルヘルスのケアを行わなかった場合、生産性は33%低下すると予測しています。
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