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「 職場うつ 」うつ病によるリスクの増大
うつ病によって生産性が低下するのにはさまざまな要因が考えられます。まず、集中力の低下によってミスが増えるでしょう。治療のために長期休職が必要になれば、当然人手不足による生産性の低下を招きます。見逃せないのが、うつ病の社員の管理をまかされた人事部門の負担の増大や、直属の上司がかかえるストレスです。こうした要因は、重要度の高い仕事への集中を困難にさせます。また、うつ病の従業員が増えることは、企業のブランドイメージにもマイナスの影響を与えかねません。うつ病は、個々人の健康管理の枠を超え、放置した場合には企業にとっての経営リスクともなるものです。
「 職場うつ 」企業に求められる復職の支援
企業には、生産性を低下させないためにも、適切なうつ病対策をとることが求められます。ひとつは、社員をうつ病にしないための対策、もうひとつは、社員がうつ病にかかってしまった場合に、治療に専念して復職を果たすことができるようにするための対策です。
「リワークプログラム」は一般的なうつ病治療とは異なり、行政や医療機関が職場復帰を想定して支援を行うものです。リワークプログラムでは、まずは規則正しい生活ができるようにし、電車による通勤や軽作業などを段階的に取り入れていきます。リワークプログラムの多くは、職場からプログラム参加の承諾を得ることを条件としています。費用面では、社会保険に加入している場合、自立支援医療を申請することで自己負担額が1割になるので、多くの施設では1日800円程度で受けることができます。
うつ病は、個人のメンタルヘルスの問題であると同時に、社会の生産性の問題でもあります。うつ病への適切な対応は、企業の生産性の低下防止や経営リスク回避にもつながります。うつ病患者を出さないための取り組み、そして、社員がうつ病になってしまった場合に、リワークプログラムの活用などにより復職を支援する取り組みが求められています。
<参考>
業員の4割がうつ病 半数がメンタルケアの必要を認識していない
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2015/003073.php
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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