三大頭痛 のうち、痛み止め薬が効かない「第三の頭痛」とは?

Mocosuku(もこすく)
  • 三大頭痛 のうち、痛み止め薬が効かない「第三の頭痛」とは?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

三大頭痛 のうち、痛み止め薬が効かない「第三の頭痛」とは?

公開日時

 

もはや現代病ともいえる「 三大頭痛 」。長時間のデスクワークやストレスによって起こるといわれ、一説には日本人のうち3人に1人は「頭痛もち」だと言われています。仕事や家事など忙しいときに発生する頭痛の対処法として、痛め止めを常用している人もいるかもしれません。ところが、辛いことに痛み止めの薬を飲んでも効果のみられない頭痛があります。どんな頭痛なのでしょうか?

 

現代病とされる「 三大頭痛 」とは

 

慢性的な頭痛としては「片頭痛」「緊張型頭痛」「大後頭神経痛」の3つのものが挙げられます。それぞれの違いを見ていきましょう。

 

片頭痛

片頭痛は、片側の頭にだけ脈打つような痛みを伴う頭痛をいいます。発作的に発生し、まれに吐き気などを感じるのが特徴です。

 

・脈拍に合わせてズキンズキンと痛む
・頭の片側が痛む
・痛みのピークには吐き気がする
・身体を動かすと痛みが強くなる

 

何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起きるのが片頭痛です。脳の血管が拡張することで、周囲の神経を刺激し、その刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張するため片頭痛が起こります。ストレスから解放するときに起こりやすいと言われ、寝すぎや寝不足、空腹、疲労などが片頭痛を引き起こす原因と考えられています。

 

緊張型頭痛

慢性的な頭痛のなかでもっとも多いのが、肩や首の筋肉の緊張から起こる緊張型頭痛です。頭をしめつけられるような頭痛が継続的に発症するのが特徴です。

 

・頭がしめつけられるように痛む
・後頭部から首筋にかけてズキズキと痛む
・圧迫感や頭が重い感じがだらだらと続く
・首や肩のこり、目の痛みを伴う

 

筋肉の緊張により、血流が悪くなった結果、筋肉に老廃物がたまることでその周囲の神経が刺激されて緊張型頭痛が起こります。ストレスやデスクワークなどが原因で起こることが多く、うつ病などの心の病気が原因となることもあります。緊張型頭痛を防ぐには、肩こりを悪化させないことが大切です。肩や首のストレッチをこまめにし、こりを解消しましょう。

 

大後頭神経痛(第三の頭痛)

なかでも痛み止めの薬が効かないと言われるのが「大後頭神経痛」です。耳の後ろあたりから痛くなり、後頭部から頭の上、そして頭の前のほうへと縦に痛みが動いていきます。耳たぶの裏側から指を横にたどっていくと、髪の生え際あたりで骨が出っ張っています。大後頭神経はそこを通って上下に伸びているのです。

 

・ビリッという一瞬の痛みが繰り返し起こる
・痛みの間隔は数秒から数時間
・痛みがないときはしびれや違和感がある
・痛み以外に吐き気などの症状はない

 

肩や首の筋肉のこりが原因となり、大後頭神経を圧迫することによって頭痛が起こります。猫背で姿勢が悪い人や、背骨や脊髄、腰椎に病気や変形がある人に起こりやすく、まれに脳の下の部分や首の上のほうの血管の病気や腫瘍で起こることもあります。

 

痛い部分を親指で5秒ほど押して離すという動作を繰り返したり、湿布を使ったりして一時的に痛みを和らげることもできますが、頭痛には命に関わる病気が隠れていることもあるので、専門医に相談することが大切です。

 
 

監修:岡本良平(医師)

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【頭痛】新着記事

頭皮にもある神経痛。ピリピリした痛みは頭皮神経痛の場合も

頭皮にもある神経痛。ピリピリした痛みは頭皮神経痛の場合も

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 洗髪やブラッシングがとても痛い、髪の生えぎわや額にピリピリと痛みを感じる…といった経験はありませんか? 頭皮などに感じる電気が走るよう...

2018/03/01 18:30掲載

素朴な疑問… 「平熱が低い人」は、発熱したときの体温も低い?

素朴な疑問… 「平熱が低い人」は、発熱したときの体温も低い?

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 世の中には、平熱が高い人と低い人がいます。 みなさんは、ご自分の平熱を把握していますか? 例えば、同じ38℃の発...

2017/11/16 18:30掲載

癒してもらえる? 観葉植物の持つチカラ

癒してもらえる? 観葉植物の持つチカラ

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「癒し効果がある」と耳にすることが多い、観葉植物。 あなたの部屋やオフィスにはありますか? 実際に観葉植物には、そのような効果は...

2017/10/20 18:30掲載

別の病気が原因で起こる「二次性頭痛」をご存じですか?

別の病気が原因で起こる「二次性頭痛」をご存じですか?

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「二次性頭痛」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 頭痛は、その種類や原因別に分類がされていて、大きく「一次性頭痛...

2017/03/30 21:30掲載

「こめかみからくる頭痛」は“右”と“左”で原因が違う?

「こめかみからくる頭痛」は“右”と“左”で原因が違う?

執筆:南部 洋子(助産師、看護師、タッチケア公認講師) 監修:川口 佑(医師、新宿ストレスクリニック院長) こめかみが脈打つように痛む頭痛は「偏頭痛」と言われ、女性に多い傾向があります。 成人女...

2017/02/06 18:30掲載

頭痛による吐き気 …症状別に考えられる原因と対策法

頭痛による吐き気 …症状別に考えられる原因と対策法

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 頭痛だけでも辛いのに、吐き気も重なって苦しんだ経験はありませんか? 一体なぜ頭痛に加え、吐き気までが起こる...

2017/01/30 18:30掲載