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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
監修:太田 郁子(医学博士)
労働基準法には、母性保護の観点から、さまざまな妊産婦の就業制限に加えて、生理休暇というものが定められています。
「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇(半日、時間単位でも可)を請求した時は、生理日に就業させてはなりません」というものですが、パートナーや家族でもわかりにくい女性の生理について、職場の男性たちが理解するのは難しいことかもしれません。
実際、こうした法律が運用されているか否かは職場によってだいぶ差があるようです。女性のほうも、生理で不調であることを男性には知られたくないような、でもわかってもらいたいような気持ちがあります。
ここでは、男性が知っておくといい女性の生理についてのお話と、女性に対してどのような振る舞いが好ましいのかを解説しましょう。
ホルモンに操られている女性のカラダ
現代は、女性も男性並みに働く時代ですが、女性が男性のようなカラダになれるわけではありません。
ご存知のように、女性には、毎月生理があります。じつはこの生理は、脳と深い繋がりがあります。それが男性には分かりにくいところなのかもしれません。脳から卵巣を刺戟するルモンが分泌されることで、女性ホルモンが働き、排卵が起きて、生理は起こるのです。
つまり脳は生理の司令塔です。ですから、精神的なストレスで生理が起こるメカニズムが狂ってしまうこともあります。
また正常にきている生理でも、さまざまな不調(いわゆる生理痛=医学的には月経前症候群、月経前不快気分障害、月経困難症などと区別しています)を抱えている女性は大勢います。
程度の差こそあれ、生理の始まる10日ほど前から、むくみやお腹の張り、腹痛や頭痛、倦怠感、眠気といった身体的症状や、気分が落ち込んだり、イライラしたり、といった精神的症状まで。生理が始まればパタリといつもの健康な状態に戻る人もいますが、生理中も続く人もいます。
必ずしもすべての女性にこうした症状が出るとは限りませんが、パートナーのあのときの反応はこれかも!?という心当たりのある男性もいるかもしれませんね。
こうした生理の周期は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンの分泌量が変動することで成り立っています。例えば、排卵日前後になると卵胞ホルモンは急激に減少し、生理が始まるころには黄体ホルモンが急激に増えます。生理痛は、この黄体ホルモンが原因ではないかといわれています。
女性ホルモンの分泌量は、年代やライフステージによっても変化します。
たとえば、妊娠・出産時期を迎える20~30代では、女性ホルモンの分泌量はもっとも多くなり、妊娠、出産後には増減が激しく、更年期を迎えるころには低下していく、といった変化をみせます。女性は、こうしたホルモンの影響で、心と体のバランスが崩れてしまうことがあるのです。
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