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お年玉をすべて親が預かってしまうのにも弊害が
多くの家庭では、子どもが頂戴したお年玉は「親が預かり貯蓄する」という方法が用いられていると思います。必要に応じて引き出してあげる家庭もあると思いますが、大人になるまで一切使わせないという家庭もあるでしょう。
しかし、この「親が全額預かって使わせない」という方法は、良いことばかりではありません。例えば、小学生にとっての1万円は「何でも買える」というほどの大金であり、中学生以上でもそれなりの大金です。ところが、大人に成長したあとの1万円は、大金ではあるものの“なんでも買えるほど”ではなくなってしまいます。それまでのお年玉などを貯めていた自分の通帳を渡された子どもは、お年玉を使うことを一切許されず我慢したのに「これだけか!」とガッカリするかもしれません。
お年玉を「貯蓄する」という方法は、低学年であればお金を使う意欲がそれほど高くないため「そんなもんかな?」と済ませられますが、小学校高学年・中学生くらいに成長すると「買いたいモノ」も増えてくるのと同時に、反抗期も相まって、親が良かれと思っておこなった行為に対してあらぬ反感も芽生えかねません。
このような事態は、親も子も望む姿ではありませんので、貯蓄した子どものお金の使い方については、親が主導権を持ちつつも、時期がきたら親子でよく話し合い、「使うお金」と「残すお金」について子どもの意見も取り入れながら決めましょう。
家庭の考え方はそれぞれありますが、お年玉は、基本的には適度に残し、適度に使わせるのが理想だと思います。新年を迎え、お金との付き合い方を家族で考えつつ、学習する機会にしてみてはいかがでしょう。
<執筆者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。
総務省統計局:家計調査2015年1月(用途分類による日別支出)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001129615
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