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子宮がチクチクする原因:病気の場合
子宮筋腫
子宮筋腫 は、それ自体が生命を脅かすことはない良性の腫瘍です。しかし放置をしておくと大きく成長してしまうことがあり、不妊症や流産、早産の原因になります。子宮筋腫ができただけで強い痛みを感じるわけではありませんが、子宮筋腫が大きく育ち、ほかの臓器を圧迫することで痛みが生じます。代表的な症状としては月経量が多くなることや、生理痛の増強、貧血、腰痛、頻尿があります。
子宮内膜症
子宮内膜症は、本来子宮内腔にしかないはずの子宮内膜や子宮内の組織が子宮以外の卵巣や直腸、膣、膀胱などにできる病気です。生理になると子宮内膜が剥がれ出血します。しかし子宮内膜症だと、子宮以外にできた子宮内膜を体外に出すことができず、体内に留まってしまいます。そのため、悪化すると子宮がチクチクと痛むことがあるのです。子宮内膜症は強い自覚症状がないため、気が付かない間に症状が進行していたということもあります。
子宮頚管炎
子宮頸管炎は、子宮頸部の炎症性の病気で性交渉をしたあとに感染して起こるものが多いです。病原体はクラミジアや淋菌が多いと言われています。膿みのようなおりものが増えるのが特徴的な症状です。また、子宮が刺されるようなチクチクとした痛みを感じることがあります。
卵巣がん
卵巣がんは、乳がんに次いで2番目に婦人科系のがんで発症率が高いです。卵巣は腫瘍種類の宝庫といってもいいほど沢山の種類の腫瘍が発生しています。卵巣から発生する腫瘍は良性のものが8割以上を占めますが、なかには悪性の腫瘍もあります。自覚症状はほとんどありませんが、症状が進行すると腫瘍と腹水のために骨盤や下腹部に圧迫感を感じたり、チクチクとした痛みを感じたりすることがあります。
子宮頸がん・子宮体がん
子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部に発生するがんであり、子宮体がんは胎児を育てる子宮体部の内側にある子宮内膜から発生するがんです。子宮頸がんは初期の場合は症状がありませんが、普段とは違うおりものが増えたり経血の量が増えたりします。子宮体がんでは閉経期以降に発生し、月経とは無関係の出血やおりもの、排尿痛や性交時痛、下腹部のチクチクした痛みなどの症状を感じます。
どちらも早期に発見すれば治療しやすいがんですが進行すると治療が難しくなります。性交渉の経験がある女性は2年に1度は検査しましょう。
子宮のチクチクとした痛みは、さまざまな病気が潜んでいる可能性があります。生理前や妊娠初期症状だと割り切らずに、病院で検査することが大切です。
監修:坂本忍(医師)
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