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PMS(月経前症候群)は治療ができる?
PMS(月経前症候群)として治療が必要となるほどの症例は、全体のおよそ3~7%ほどと言われ、多くはないですが、我慢するものでもありません。日常生活に支障をきたすほど症状が辛い場合には、我慢したり、あきらめたりせずに治療しましょう。最初から精神科や心療内科を受診するのではなく、まずは婦人科受診すべきでしょう。
認知療法
PMS(月経前症候群)は症状が多彩なため、治療もそれぞれ違います。また、特定の治療が確立しているわけではありません。まずは、『どれくらい・どのように、その症状で困っているのか』ということを、医師と患者自身とで確認し合って治療に臨むことが重要です(レコーディングやカウンセリング)。
生活習慣の改善
上記のように、自分が困っている事のパターンを把握したら、症状とうまく付き合っていくため、次のように生活習慣を見直すことが重要です。
適度な運動
カフェイン、アルコール、たばこなど嗜好品の減量、コントロール
入浴
アロマセラピーやハーブ飲料
バランスの摂れた食事
薬物療法
症状に対する対症療法として薬物療法も可能です。
- EP配合剤(ホルモン剤):身体的な諸症状に
- 安定剤:精神的な症状になど
- その他特定の症状に対して:鎮痛剤、整腸剤、ビタミン剤等
- 漢方薬:西洋医学の薬よりも即効性は低いが体質や症状にあわせて使う。
EP配合剤とは
前述したEP配合剤とは、エストロゲン成分とプロゲステロン成分の両方を含む薬剤をいいます。卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合成剤です。今主流になりつつある超低用量ピルを中心に、EP配合剤について説明しましょう。
種類
中用量ピル:
含まれるエストロゲン量が中量~高量のものをいいます。
月経の移動、機能性子宮出血等の場合止血目的で、使用します。
低用量ピル:
LEPもしくはOCと呼ばれており、LEPは月経困難症に、OCは避妊用に、と区別されています。
超低用量ピル
現在主流となっており、低用量ピルのエストロゲン量が0.03~0.04㎎なのに対して、超低用量ピルのエストロゲン量は2.20㎎と大変少ないもので、頭痛や吐き気などの副作用も減っています。これまでのものと比較すると、含まれている黄体ホルモンの種類が身体の中にある自然な黄体ホルモンに近い働きをするため、むくみなどの副作用がでにくいという特徴も持っています。子宮内膜症、過多月経、子宮腺筋症、月経困難症、PMS(月経前症候群)などにも効果があり処方されることがあります。
ただ、飲み忘れた時、排卵のリスクが低用量ピルより高くなるので、飲み忘れに厳重な注意が必要です。また、確率は余り高くありませんが、低用量ピルにもある副作用として、喫煙者の血栓症の心配があります。喫煙者でピルを服用したい方は、医師に相談してください。
薬の服用については、医師の指示をきちんと守って行う事が必須である事は言うまでもありません。
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