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大動脈解離とは?
大動脈の血管壁は、内側から外側へ向かって、内膜、中膜、外膜の3層構造をしています。
大動脈解離とは、この1番内側の内膜に亀裂が生じて、中膜の内部に血液が入り込み、縦方向に裂けて、血管が4層構造になってしまう病態をいいます。
解離が発生すると、解離部分(例えば胸の血管なら胸痛、背中側の血管なら背部痛など)に、突然の激しい痛みが走る、といわれています。
血流が滞り、分岐部分から体の各所へ血液が供給出来ない状態になると、結果、臓器の虚血が起こります。先に述べたように、大動脈は非常に重要な臓器へ血液を送っているため、これらへの供給が途絶えると、心筋梗塞や脳梗塞の併発など、命にかかわる危険性が高まります。
また一方で、解離後、外膜により圧がかかることで瘤(こぶ:解離性大動脈瘤)が形成されやすくなり、破裂してしまうこともあります。破裂すると大出血になるので、血圧低下をきたしてショック状態になったり、心臓の周りの心のうに血液が貯留することで心臓の動きを妨げる、心タンポナーデを起こしたりと、致命的な状況になります。
さらに、解離が大動脈の始まりの部分にまで及ぶと、その部分にある大動脈弁が損傷して、心臓から出た血液が逆流し、急性心不全となります。
こういった病態が短時間で一気に進むことで、急激に意識を消失してしまうことがあります。
解離した場所や状況により、緊急手術か、血圧のコントロールを行いながら慎重に経過を診るか、治療の選択がなされます。
高血圧や生活習慣病による動脈硬化の予防が肝心!
なぜ、内膜に亀裂が出来てしまうのか?
多くは不明ですが、高血圧や動脈硬化が要因のひとつとして考えられています。
動脈硬化を促進する因子に、喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、運動不足、偏食などがあります。
もちろん加齢により、血管も老化していきます。
ですから、誰もがこういった病気になる可能性があるのです。拍車をかけないよう、普段から適度な運動やバランスの良い食事を意識して取り入れ、まずは予防を心がけましょう。
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