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失神の前駆症状
多くの場合、意識を失う前に前駆症状(前兆)を自覚します。具体的には、目の前が暗くなったり、場合によっては白くなったりします。また、人の話し声が急に小さく聞こえたり、冷や汗をかいたり、血の気が引く感じ、不快感や吐き気など、いずれも血圧が低下した時の症状です。
これらの前駆症状に続いて意識を失います。意識を失うこと自体には自覚症状がないため、「気がついたら倒れていた」という場合が少なくありません。なお、前駆症状として頭痛や胸痛がある場合は、くも膜下出血や心臓病の可能性があり、重症のサインです。
失神の主な3タイプ
失神は、大きく次の3タイプに分けられます。とはいえ、一般人には区別がつなないので、失神を自覚した際や他の人から指摘された場合は循環器内科を受診しましょう。
神経調節性失神
最も多い失神で、いわゆる「脳貧血」です。顔色が悪くなり、立っていられなくなって座り込みます。
呼びかけても反応が鈍く、けいれんを起こしたり、倒れたりします。同じ姿勢で長時間立っていた時、急に立ち上がった時、睡眠不足や疲れが蓄積したときなどに起こりやすくなります。
これは、突然低血圧が起こることが原因で、立位で血圧を維持するための神経反射が破綻することで起こります。
不整脈が原因の失神
このタイプの失神は突然死を起こす病気が隠れている場合もあり、気をつけなければなりません。
予兆がなく、横になっていても気を失う場合があります。再発率が高く、治療しないと発症者の2割程度が1年以内に死亡するという報告もあります。
特に不整脈によって引き起こされ、心筋梗塞や心筋症などの可能性があります。このほか、俗にぽっくり病と呼ばれる「ブルガダ症候群」など、突然死につながる病気のおそれもあります。
脳動脈硬化症による失神
脳に血液を送る血管が動脈硬化を起こすことによる失神です。
極めて稀なものですが、年間で78万人が経験すると言われています。
症状としては、めまい、ふらふら感が主です。鎖骨下動脈に狭窄(血管の一部が細くなっていること)があったり、頸動脈の一部に狭窄があったりすると、急に失神を起こすことがあります。電車のつり革を持った時、後ろを振り向いた時、下を向いた時など、一定の姿勢で繰り返してふらつきを感じる特徴があります。
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