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子連れ出勤の問題点は
働く親たちにとっては、目の届く場所に子どもがいてくれるのは安心ですし、子どもの側にとってもそれは同様のはず。
その一方で、オフィスに子どもがいることで仕事に集中できなかったり、子どもが苦手な人にとってはこうした状況がストレスになるという問題も生じてきます。
これらに対処するため、子連れ出勤の導入で話題となっているカタログギフトの企画販売会社ソウ・エクスペリエンスでは、子ども用のスペースを区切ったり、取引先との電話や重要書類の作成を行うために「子どもの声が届かない部屋」を設けるなどの工夫を重ねているそうです。
職場という「共同体」で子どもを育てる
たとえば、かつての大家族や地域社会などの共同体には、みんなで子どもを育てるという考え方がありました。
このような背景には、「最初に親になるときは誰もが子育ての初心者」であり、そうした若い夫婦を年長者がサポートするのが当たり前、という風潮もあったそうです。
しかし、現代においては核家族が主流となり、かつてのような共同体は減少しています。
若い親の児童虐待などが取り沙汰される度に、「子どもは社会で育てるべき」といった意見を聞きますが、では一体社会とは、共同体とはどこにあるのか?
もはや昔のような環境はなかなか見当たりません。
そんな時代において子連れ出勤を導入している企業は、見方によってはこうした共同体の役割を果たしている部分もあるといえるでしょう。また、こうした職場においては、子どもたち自身も、親や同世代の子ども以外のさまざまな大人に接することによって社会性を身につけ、成長していける側面があります。
職場の大人たちにとって、子どもはたしかに「仕事の邪魔をする存在」という見方もできますが、とかく人間性が後回しになりがちな労働の現場において、子どもがいることで生まれる「感情の動き」や「心の余裕」は見逃せないものといえるでしょう。
未来を担う存在である子どもを、企業という共同体がどのように考えるかが、いまの日本においては問われているのかもしれませんね。
【参考】
『中小企業が注目 広がる「子連れ出勤」』NHKニュースおはよう日本(http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/09/0902.html)
『学童保育:待機児童1.7倍』毎日新聞(http://mainichi.jp/articles/20151219/k00/00m/040/044000c)
『保育所入所待機児童数 平成26年10月』厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000078425.pdf)
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