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執筆:井上愛子(看護師)
頭痛に悩む人にとって、薬局で手軽に購入できる鎮痛剤は強い味方ですよね。
原因がわかっている頭痛に対して、適切な範囲内で服用するには問題ありませんが、長年病院も受診せず自己判断で市販薬を飲み続けていると、逆に症状を悪化させてしまうことがあるのはご存知でしょうか。
以前より頻繁に頭痛が起こる、痛み方が変わってきた、薬がきかなくなったように感じるなどの症状に心当たりがある人は、頭痛薬の飲み方について考えてみましょう。
頭痛薬で症状が悪化!?
市販薬でも処方薬でも言えることですが、服用後すぐに症状が悪化したり何らか別の症状が現れた場合は、すぐに使用を中止しましょう。
頭痛薬の中には、脳内で痛みを抑える作用が強いものもあり、人によっては、服用後に脳の血管が開いて拍動性の(ズキンズキンと繰り返すような)痛みを生じさせる場合があります。こうした症状を発するのは、もともと慢性頭痛である「偏頭痛」や「緊張型頭痛」をもっている人に多く、薬によって同様の頭痛発作が生じてしまうことが要因として考えられています。
また、何日も服用し続けてのちに起こる頭痛もあります。このタイプの頭痛も、もともとひどい偏頭痛や緊張型頭痛もちの人に発症することが多く、自分の頭痛がどういうタイプのものかを知らずにとにかく痛みを和らげようと、市販の頭痛薬を飲み続けているうちに発症することが多いのです。
一時痛みが治まると、「病院に行くほどではないとか」と自己判断を下して、市販薬に頼るようになってしまいます。
とくに、吐き気やめまいなどを併発する偏頭痛の頭痛発作は、日常生活にも支障をきたすほどつらく、頭痛発作への不安から予防的に薬を服用してしまう傾向にあります。偏頭痛の治療として病院で処方された痛み止めでも、痛みが出ていないうちに飲んだりすることで、薬物乱用型頭痛を起こします。
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