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執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
脳腫瘍は、頭蓋骨の内側に発生する腫瘍(できもの、新生物)の総称です。他の臓器からの転移でなく、脳内組織から発生したものを「原発性脳腫瘍」といい、1年間で10万人に10〜12人程度が発症すると言われています。正確な発生原因はわかっていません。
いったいどういうことなのか、以下から詳しく見ていきましょう。
良性と悪性の違い
原発性脳腫瘍は、悪性度によってグレード1〜4に分類されます。良性と呼ばれるのはグレード1で、悪性はグレード2〜4の腫瘍です。良性・悪性の主な違いは次の通りです。
【良性】
腫瘍と周囲組織との境界が明瞭で、手術で完全摘出可能なもの。脳腫瘍の40~45%程度を占めます。成長速度は遅いものの、正常脳組織を圧迫して影響を及ぼすようになります。代表的なものとして髄膜腫(ずいまくしゅ)、下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)などがあります。
【悪性】
腫瘍と周囲組織との境界が不明瞭で、成長速度が速く、手術での完全摘出が困難。手術後に放射線治療や抗がん剤による化学療法を行うのが一般的です。主なものに神経膠腫(しんけいこうしゅ、グリオーマ)や中枢神経系悪性リンパ腫があります。残念ながら、現在の医療技術でも治癒することは難しい病気です。
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