これだけは知っておきたい、応急処置の基本

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これだけは知っておきたい、応急処置の基本

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 応急処置の基本 :湿潤療法(しつじゅんりょうほう)「モイストヒーリング」

 

擦りむいたりした患部を、消毒しないで洗浄するだけで、患部を湿ったまま密封する、傷のケア方法です。

細胞の成長や再生を促す成分が含まれる体液(傷口から出てくる透明な液体)を傷口に保持することで、本来人間が持っている自然治癒力を使います。
傷を消毒すると、傷を治そうとする働きも殺すことになり、かえって治りが遅くなってしまうことから、湿潤療法が今、注目されています。

 

 ケース毎の応急処置法

 

以上のポイントを踏まえて、ありがちな、いくつかのケースを考えてみましょう。

 

1.転んで擦りむいた!

まず洗浄をします。ケガをした部位には砂やゴミなどが入っていますので、洗浄しておかないと、皮膚の中に残ってしまう恐れがあります。よく流水で流してください。
洗浄した後は、市販の湿潤療法用のばんそうこうを貼っておきましょう。
出血が多かったり、化膿していたり、患部が熱を持っているなら、病院へ受診しましょう。

 

2.火傷した!

やけどの初期対応は、ひたすら冷やすことです。
服の上から熱湯などがかかった場合は、服の上から冷やします。脱がそうとすると皮膚まで剥がれてしまうことがあります。
やけどを負った後、水ぶくれができることがあります。これは、つぶさないでください。水ぶくれは、まさに自然の湿潤療法です。もし、つぶれたり、つぶした場合は、洗浄後、市販の湿潤療法用の絆創膏を貼ってください。

 

3. 鼻血が出た!

鼻血を止血するには、まず衣服をゆるめて椅子などに座りましょう。
その後、綿やガーゼを丸めたものを鼻に詰めて、小鼻を両側からつまんで10~15分くらい圧迫してください。

 

4.目にゴミが入った!

目にごみや異物が入ったら、絶対にこすらず、瞬きで涙と一緒に流すか、水を張った洗面器に顔をつけて、瞬きをしてください。
ガラスなどの破片が入った場合は、ハンカチやガーゼなどで小さな円座を作り、目の周囲に当て、その上から両目を包帯で覆います。片眼だけだとケガをした方も動かしてしまうので、気をつけてください。
薬品や洗剤が目に飛んで入ったら、すぐに洗眼です。目を下に向けて、流水で流します。
いかがでしたでしょうか。
あなたの身の回りに起こるかもしれない急場で、ぜひいかしてみてくださいね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師、助産師、看護師、保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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