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他者との摩擦を受け入れられますか?
「ホンネを言い合う」ということがあります。
自分の素直な気持ちを率直に述べるという意味のこのコトバ。ケンカの場合も、いわばホンネを包み隠さず言っているのだと認識できれば、かえってお互いの絆を深める可能性にもなるでしょう。
少数でしたが肯定派はケンカを、そのように理解しているのでしょう。
しかし、上の調査結果は、現代の人間関係が必ずしもそうであるばかりではないことを示唆しているようです。
できるだけ人との摩擦を避けることが「やさしい人間関係」なのだと信じている人や、そもそも、他人から自分に向っての率直な物言い自体に「緊張」や「嫌悪」の感を持つ人もいるでしょう。
そんな人にとっては、ケンカは違和感をおぼえ、むしろ避けたい事態なのかもしれません。
さっぱりとしたケンカ、陰険なケンカ
仲の良さを促進するケンカ、ということで言えば、ケンカの質もかなり影響してくるでしょう。
たとえば、相手を深く傷つけるような表現は避け、何気ない日常の共同生活でここが良くなったら、もっと素敵になれるのにといった「相手への愛」があってスカッと言い合うこと。一方、ふだんから「嫌だイヤだ」と感じていながら、なかなか言い出せないでいたことを、これを機会にと思いっきりぶちまけるといった「憂さ晴らし的」なやり取り。
この二通りでは、おのずとケンカの質も違ってくることは当然ですよね。
この点からすると、いわば陰険なケンカが仲の良さにつながらないことは多分、時代の今昔に関わらず共通しているのではないでしょうか。
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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