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麻疹(はしか)にかかる原因は?
麻疹ウィルスへの感染が原因です。このウィルスは、感染力が非常に強く、人から人へ感染します。おもなウィルスの感染経路には以下の3つのものがあります。
1. 感染者がウィルスを出しそれが空気中を漂って、それを吸い込むことで起こる「空気感染」
2. 感染者の咳やくしゃみを吸い込むことで起こる「飛沫感染」
3. ウィルスが付いたものを触ることで起こる「接触感染」
麻疹の感染経路は、このいずれにも該当します。
感染する期間は、発疹が出る4日前から発疹が出た後4~5日位までで、最も感染力が強いのは、発疹が出る前の期間です。
麻疹(はしか)の症状とはどういうもの?
前駆期
10日~12日間の潜伏期間があり、その後発症します。
麻疹の症状の特徴は、発熱が2回繰り返されるということです。そのため、最初の発熱で麻疹だと判断することは難しく、ほとんどがただの風邪と診断されてしまいます。
「発熱」や「咳」など、風邪の症状と同じように「倦怠感」「咳」「鼻水」「くしゃみ」などの上気道症状が現れます。また38℃前後の発熱が数日続き、結膜炎のように目が充血し、目脂(めやに)などが出ます。
乳幼児では、消化器症状である「下痢」や「腹痛」の症状が出ることもあります。
前駆期には、麻疹の特徴的な「コプリック斑」がでます。コプリック斑とは、口の中で頬の粘膜の裏側に隆起した1㎜程度の小さな斑点です。これは、全身に発疹が出る1~2日前に出る斑点で、麻疹と診断する手掛かりとなるものです。
発疹期
前駆期を過ぎるといったん熱は下がりますが、半日程度経った後に再び39℃以上の高熱が出て、同時に身体の表面に発疹が出てきます。発疹は、耳の後ろから顔全部、体幹部、首や腕まで出始めた後、2日後には四肢末端まで広がってきます。
「発疹期」と呼ばれるこの期間は、はじめは鮮紅色でひらべったかった発疹が皮膚から盛り上がって、やがてほかの発疹とつながり、不整形な斑状になってきます。
その後、暗赤色となり、だんだん色が褪せていきます。この期間は高熱が続き、風邪のような上気道症状や結膜炎のような目の症状も一段とひどくなります。
回復期
発疹が出て3~4日続いた高熱が下がりはじめ、回復期へと向かいます。風邪症状である上気道炎や目の結膜炎症状も軽くなってきて、合併症などがなければ、発症してから7~10日で回復するでしょう。
しかし体力が落ち、免疫力も低下しているため、ほかの感染症にかかると重症になる恐れがあります。1か月ほどは通常の生活には戻れないでしょう。麻疹は、高熱が1週間も続いて、さまざまな症状がでるため、合併症がなくても入院することが多いです。
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